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台湾の忘年会「尾牙(12月16日)」って知ってる?

尾牙(12月16日)神々に感謝し、スタッフを讃え、翌年も商売繁盛するように

神様

2月2日は一年の内の最初の「做牙」であり、「頭牙」とも言われていますが、12月16日は一年の内で最後ということから、「尾牙」(忘年会)と呼ばれています。この日、企業や商店経営者は各職場の守護神である土地公さまを慣例に従って拝みますが、この一年ビジネスが平穏無事に発展することができたのは土地公さまのおかげなので感謝をし、来る年も引き続き商売繁盛し、業績が今年以上に良くなるようお守りいただけるよう祈願します。この日で土地公さまを拝むのは最後となるので、企業や商店では豊富なお供え物を用意しその年の感謝を伝えお祀りします。

 

神々の庇護を感謝するだけでなく、企業や商店では年末を迎える前に吉日を1日選び「尾牙」(忘年会)を開き、豪華な食事やプレゼント、賞金が当たるくじ引きを用意し、社員やスタッフの一年の労をねぎらい、翌年も引き続き会社やお店のために頑張ってくれることを願います。被雇用者にとって年末一番楽しみが多い一大イベントに当たります。

なぜ「尾牙」(忘年会)を開くのか?

 

その昔、社員が「尾牙」を開くと聞くと、解雇されるのではないかと、気持ちが暗くなりました。それはオーナーたちが解雇をしたいスタッフを忘年会の時に「転鶏頭」(鶏の頭回し)という方法で該当するスタッフに暗示していたからです。これは卓上に置かれた鶏の頭が誰に向いているかによって、その人は私物などを整理して職場を離れる準備に入らなければいけなかったからです。昔から台湾語の諺には「忘年会になると憂鬱になり、新年会では足を高く組み、ゆったり髭を撫でる」と言い、忘年会シーズンの心情を的確に表しています。

 

ただ、現代の企業ではこういった場面は少なく、本当に適さない人材の場合は通常の手順で解雇通達を伝えることにしており、忘年会で興ざめさせることはなく、あくまでスタッフを労うのを目的としています。

知らないといけない祝典豆知識

①忘年会時の拝拝でよくみるお供え物に刈包(蒸しパンにお肉や野菜を挟んだもの)があります。刈包の形がお財布のお饅頭のように見え、お肉の角煮や漬物、ピーナッツパウダー、香菜を挟むと中身が沢山はいっているお財布のように言えることから、十分な財がなされたという比喩的意味があります。忘年会で刈包を食べることには、翌年の財運が上がり、お財布の中のお金が使いきれないほど財をなせるようにという吉祥の意味が含められています。

 

②もう一説によると、刈包の形が虎の口に似ていて、中に豚肉を挟むことで、虎がその肉を加えているように見えることから、別名「虎咬豚」ともいいます。忘年会にこれを食べると、その年におきたあらゆる悪いことを噛み砕いて壊すという意味があり、翌年一年が順風満帆に過ごすことができるといいます。

 

③潤餅(台湾式生春巻き/クレープ)は潤餅の皮に火を通したもやし、細切りにしたニンジン、タケノコ、豆乾、すりおろしニンニク、細切り肉、玉子焼きなどの材料を包んで作ったものです。財を成し、裕福になるという意味があり、忘年会にこれを食べることで翌年の好運を先取りするという意味が込められています。

編集部だより
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