巧聖先師 工事の平安無事を祈り、規則正しい分別のある人になるよう祈る
魯班公は土木建築の師であるだけでなく、住家の守護神でもあります。古書によると:魯班は木を鵲の形に削ったところ、その鵲は命を吹き替えしたかのように飛び始め、3日後には舞っているかの如く飛んだと言われています。この描写からもわかるように、その作品はあたかも生きているかのようであり、その手芸を巧みを極めていたことがわかります。彼の不思議な話は数千年経った今でも焦ることなく、後世に伝えられ、尊敬されています。後の大工やペンキ工、建築業や家具屋にいたるまで、手工芸にまつわる分野において魯班は師として崇められており、「巧聖先師」とも呼ばれています。土地をいじる工事があるときは必ず祀り、拝み、魯班公のご加護のもと工事が上手くいくことを祈ります。
手が器用なだけでなく、魯班公は墨ツボ、アックスパッケージ、鋸、ルバニ定規、鋪首、戦闘船、機関車、磨、碾、鉆など重要な器具を発明し、特に人類にとって最も貢献したとされる発明は「準縄」(角尺)と「規矩」(コンパス)です。
《魯班書》の記載によると、魯班公は四川峨眉山の魯班で神と封され、金殿を造りに貢献したことから、「魯班先師」となり、《中国職業の神》という本には古くより魯班先師を中国各地では祀っていて、各種祭典などが執り行われてきたと紹介されています。大工、土木業、左官、石匠たちは巧聖先師の発明した器具を寶であり、魔除けとし、仕事中は常に持ち歩いています。それと同時に、魯班を拝み、巧聖先師のご加護の元、作業が上手くいくよう祈ります。
魯班は木工建築において神業と言える成果を上げています。そのため、歴史上、最初の土木建築師であることから、工芸文化に影響を与えた最も古い土木業の祖であるとされています。
神がかっていた思考をもった魯班は当時の人々が想像つかないような精巧な農作業用具を発明しました。例えば、農家用の埃とりや船用のスカルオール、更には雲梯や木鳶などを発明しました。その他、現代でも必須用具として使われているような工具も発明しています。
また、彼が使っている尺は生、老、病、死、苦の5文字を基数とし、各文字の間は一寸と四分(4.2センチ)あいていて、彼が人々のために家屋を建てる時など、原則として死や苦に差し掛からないようにしていたといいます。この方法は現代にも伝わっており、多くの大工や内装業の人々が使っており、「ルバニ定規」と呼ばれていて、とても素晴らしい発明の1つになっています。
口訣(唱え言葉)
お線香に火を点け、氏名、旧暦の生年月日と干支、住所を伝え、お供え物と金紙も巧聖先師の為に用意したことを伝えます。そして、神様にはご加護いただき、自身の仕事が滞りなく進み、家内が平和であり、万事望み通りに進むことができるよう祈ります。
参拝方法
魯班のための祭典は旧暦の5月7日、6月16日、6月24日、7月7日、及び12月20日の5日があります。その時にお参りするといいでしょう。
魯班が毎度工作をする時、必ずお母さまが墨線の端を持ち、木材の上に線を点ける手伝いをしていました。常にお母さまに手伝わせるが心苦しかったので、墨線の端にフックをつけ、木材をつるし墨線を点ける方法にしました。後に親孝行である魯班を記念して、この墨線の先についているフックのことを「班母」とし、大工の良き手伝いのことを「班妻」と呼びました。それは、魯班が毎回木材を削る際、彼の妻が木材をおさえ、滑らないようにしていたからでした。後に、魯班は家事もこなし、手伝いをさせては妻が疲れすぎると思ったので、木材を削る台にウェッジをつけ、木材を固定することで、妻の手伝いがなくても出来るようにしました。このウェッジを「班妻」と呼ぶようになりました。
参拝方法
①神様の前のお供えテーブルに、三牲、生花、果物、餅菓子、キャンディー、お茶、お酒各3杯を用意します。
②お線香に火を点け、神様に向かって、自身がお供え物と金紙を巧聖先師のために用意したことを伝え、神様にはご加護いただき、自身の仕事が滞りなく進み、家内が平和であり、万事望み通りに進むことができるよう祈ります。
③お線香が2/3燃えたら、お供えテーブルの上にある金紙を手に取り、三拝後、燃やします。