観世音菩薩 厄除け平安祈願

観世音菩薩 厄除け平安祈願

観世音菩薩

「観世音菩薩」この名は梵語の「 Avalokiteśvara」であり、光世音菩薩または観自在菩薩と訳しますが、音を拾った漢語に訳すと「啊那婆婁吉低輸」または「阿縛盧極低濕伐羅」となります。これは「世間の音や声を観察している菩薩」という意味があります。

伝説によると西方の極楽世界の教主阿弥陀仏の下の上首菩薩であり、四代菩薩の一つとされています。中国のみならず、東南アジアの多くの地域で、観世音菩薩は民間が普遍的に信仰している神様であり、貧富や階級を分けることなく、観世音菩薩の祝福のもと苦痛から出ることができます。

 

台湾では、一般家庭で最もよく祀られているのが観世音菩薩です。広大な慈愛をもって、人々の声に耳を傾け、手助けをし、困難から救い、更に災いを祓ってくれます。このように慈悲深いお心が、数千年もの間、人々の信仰においての主流の一つであり続けている要因のようです。

 

観世音菩薩の物語には色んなバージョンがあり、一番よく耳にするのは《観世音菩薩本行経》(後に《香山寶巻》と改称され、作者は宋代普明禅師)に記載されているストーリーだと思います。

 

妙荘王には3人の娘がいました。その中でも長女と次女は結婚適齢期になったので、父親に従い結婚しましたが、三女の妙善は父親に従いたくなかったため、仏法を学ぶことにしました。それだけではなく、出家して尼になろうとも思っていました。妙荘王はとても怒り、妙善を王宮から追い出してしまいました。

 

数年後、妙荘王は重病にかかり、あらゆる医者も彼を治すことはできませんでした。やがて大臣たちは1人の老和尚を呼び診させました。診終わるとその和尚は妙荘王に言いました。彼の病は実の娘の腕と目で薬をつくり服用すれば治ると。妙荘王の長女と次女はその話を聞き怯え、何を言っても自分の腕と目を切除して父親を助けようとはしませんでした。

 

妙荘王は最後の希望を三女に託しました。妙善がこのことを知ると、まったく躊躇することなく自分の腕を斬り落とし、目玉をえぐりだし父親に差し出しました。不思議なことに、彼女の孝行心が神を動かしたのか、同時に千本の腕と千個の目玉が生まれました。これが千手千眼観世音の由来とされています。

 

中国の観世音菩薩にたいする信仰は最も古いもので紀元前1世紀に伝わったとされています。宋朝以前は観世音菩薩は男性だと思われていました、《悲華経》の中で、観世音菩薩は善男子とされていましたが、諸菩薩に男女の性別は無いとされきたことから、民衆の意にそって観世音菩薩を女性とし、大きな愛と慈悲吉祥の女性的な特徴が加わりました。中国の閩南地区と台湾の民間では観世音菩薩は女性だと信じられていることから、「観音媽」(観音母さん)と直接呼んだり、「観音佛祖」略して「佛祖」と呼んでいます。

神様ミニ百科

 

毎年中元普渡の際、人々はお供え物を用意し、紙のお金を燃やすことで世間にはびこる鬼たちの心を満たし、生きている人々の邪魔をしないように願います。この時のお供えものはどのようにしてこの「良き兄弟」(鬼たちのことを指す)にわけ与えるのでしょうか?それは彼らのリーダーであり、私たちが「大士爺」と呼ぶ「鬼王」に分けていただきます。

 

が、万が一大士爺が平等に分けられなかったら「良き兄弟」たちから不満を引き起こすのではないか?と思った人々は大士爺の頭上に一体の観世音菩薩像を捧げ、お供え物を分配する過程は全て観世音菩薩が自ら監督していることにしました。慈悲の心をお持ちの観世音菩薩なら、争いが起きても随時治めてくれ、皆が満足するように導いてくださいます。

よって、中元普渡の際は必ず観世音菩薩のもとへ参拝に行きます。

 

 

参拝方法    

①観世音菩薩にご挨拶をし、自分の名前、生年月日、生まれた時刻の干支と住所をお伝えします。

 

②菩薩さまに伝えにきた問題について説明をします。

 

③説明後、籤(おみくじ)を賜っても良いか伺います。

 

④もし手助けいただけるなら、聖筊を出してくださるよう菩薩さまにお願いします。

 

⑤もし菩薩さまが聖筊を出してくださったら、そのまま籤を引きに行きます。

 

⑥菩薩さまの前へ行き、引いた番号を伝えます。

 

⑦もしその番号が菩薩さまが指示してくださったものなら、聖筊を出してくださるようお願いします。

 

⑧もし菩薩さまが聖筊を出してくださったら、籤を受取にいきます。

 

⑨もし聖筊がでなかった場合は聖筊がでるまで籤を引いてください。

編集部だより
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