安太歳をするには?
安太歳とは古くから伝わる民間信仰の一つで、人々は太歳神が降臨し禍をもたらすことを恐れていました。そのため、太歳(木星の鏡像となる仮想の惑星)がある干支の位置へ移ったとき、該当する干支と相対する干支に生まれた者、例えば太歳が鼠年に移った場合、太歳神の本命となるのが鼠年の人であり、その反対に位置する馬年の人は「犯太歳」と呼ばれる。「犯太歳」の人は太歳が禍をもたらすのではないかと心配し、それに当たった年は太歳神を拝み、不幸な出来事や禍いから守ってくださるよう祈ります。これを「安太歳」といいます。安太歳ではまず初めに家の中に太歳神を祀り、一年間朝と晩拝みます。現代人の生活は昔の人に比べ忙しないこともあり、多くの人々が廟などへ行き安太歳をするようになりましたが、更に進化し、最近ではオンラインで安太歳する方法もあるようです。
早期において「安太歳」は春節の前後にすることが多く、赤と黄色の紙に「本年太歳星君神位」或は「一心敬奉太歳星君」などの言葉を書き、自宅のエントランスホールなどの広間に貼り、朝晩お線香を焚いて拝み、年末の送神日には貼って紙を剥がして燃やし、神様のお見送りをしていました。後に、どんどん手の込んだ儀式をするようになり、簡単な紙だったものも、多種多様なタイプの安太歳用太歳符や位牌、神像などが生まれました。
現代人の生活リズムが忙しいこともあり、朝晩太歳を拝む時間もないことから、ほとんどの人は廟などへ行き、一定の料金を納め、自身に代わって廟で「安太歳」をしてもらいます。今となってはいたるところにお線香代を受取り、安太歳を行っている廟やお堂があります。利便性から、自宅で安太歳をする人はどんどん減ってきています。
自宅で安太歳をする場合は下記のことに注意してください。
①廟や金紙店で「太歳符」を購入または頂いてください。農民暦がついてきますが、ネットでもこの暦はダウンロードできます。太歳符に安太歳を希望する者の氏名、国籍、生まれた年の干支と住所などの情報を記します。
②旧暦の1月9日天公生または15日の元宵節の時に、家中にある神様を拝むときと同様のやり方で拝みます。
③拝む際「拝請太歲星君到此安鎮, 闔家平安大降吉祥」(太歳星君さま、ここへ鎮座いただき、我が家に平安と吉祥をもたらしくださいますようお願いいたします)と唱えます。
④ホールでお祀りし、朝晩拝みます。毎月一日と十五日、そのほか年越しや節句の時なども太歳さまを拝みます。
⑤旧暦の7月19日は太歳生誕の日にあたるので、他の節句にプラスして、この日も祭拝します。
⑥旧暦の12月24日送神日には太歳さまを拝み、一年間のご加護に感謝します。その後、貼ってあった紙と一緒に太歳符を燃やし、太歳さまに天へお戻りいただきます。