春節

春節

旧暦の一月一日は春節であり、人々が最も重視する日です。新しい年が始まる最初の日であるため、「開春」‐カイツゥエンともいわれます。一年の最後の日に大掃除をすることで、古いもの、壊れたものを全て一掃(一送)し、続いてやってくる新しい年を新しい気持ちで迎えようということ。一般家庭では元日に豪華なお供え物を用意し、ご先祖様への感謝の気持ちと追悼の意を表し、自分たちのルーツについて考えるとともに、引き続き次の一年も子孫を見守っていただき、家内安全、何が起きても万事吉と化すようお祈りする。また、新年を迎えた時に爆竹を鳴らすのは悪いもの(悪霊)を駆除し、平安をもたらすという意味が込められています。

元日は人々が廟へ行き、天公(天の神様)の参拝をし、玉皇上帝に新しい一年も平安順風に、良い運勢で過ごせるよう祈願します。一説では、新年の初日に賭け事で勝ったり、良い事が起きた場合、その年の運勢はとても良くなるといわれているので、毎年元日になると大きな廟では大勢の参拝者が集まり、賑わいを見せます。

 

春節豆知識

豆知識1)

年越しの廟への拝拝時に、多くの人々は年糕‐ニェンカウ(お餅)をお供え物として用意するのですが、これは「年々高升」‐ニェンニェンカウシェン(年々上にあがるという意味)と意味する言葉の音と似ていることに由来しています。これには吉祥及び幸福という意味がこめられています。

豆知識2)

赤色は喜びを表す色とされ、白色は葬式や不吉の象徴としています。そのため年越しの祭典ではなるべく赤色や暖色系のもの、例えば、赤い色をした發粿‐ファークゥオ(お米のお菓子)、紅湯圓‐ホンタンユェン(赤色に染めた白玉)、 年糕‐ニェンカウ(赤いお餅)などを選ぶと良いとされ、これらに使われる砂糖も白砂糖ではなく、赤砂糖が使われているものを選ぶのがより良いとされています。

豆知識3)

現代人が拝拝時に使う三牲‐サンセンとは鶏、豚、魚の三種類ですが、昔の人々の三牲とは牛、羊、豚というような大型の畜類だったようです。

現代では、人間と一緒に畑仕事で働く牛を食べるのは忍びないと思うようになってきたことや、羊を育てている人が少なくなってきたこと、そして、そもそも台湾は地理的にも海に囲まれ漁獲量が豊富なので、時代の流れとともに、牛、羊、豚から次第に、鶏、豚、魚の三種になってきました。

更に、現代人の中には環境保護、不殺生を唱える人が出てきており、蒟蒻や大豆の加工品をビーガン用の三牲として代用いている人もいます。

編集部だより
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